積読を読んではくずし…ツミヤマです。
今回は月次報告といたしまして、3月に読んだ新作漫画を中心にご紹介していきたいと思います。
いやはやしかし、毎月いろいろな漫画が出ておりますね。
とてもじゃないですが追いきれませんが、できる限り読んでいきたいという所存です。
振り返ってみると3月はエモさを感じる作品が多かったかなと感じます。
それでは早速、いってみましょう。
出版社順に9タイトル!それでは以下からどうぞ↓↓↓
一迅社 しめさば/majoccoid たゆたう煙は掴めない 1巻
「ひげを剃る。そして女子高生を拾う。」のしめさば先生が原作をつとめるシーシャ×ラブストーリー。
大学生の子犬系主人公がマッチングアプリで知り合ったのは、シーシャ屋さんに努める美女。
シーシャ屋に漂う独特の甘い香りやゆったりとしたテンポ感に囲まれながら、少しずつ距離を縮めていく二人の何ともいえない空気感がたまりません。エモ。
後半には、いかにもシーシャ屋に出入りしていそうな(偏見)地雷系女子も登場し、今後この子がどうストーリーに絡んでいくのか、続きが気になります。
実際にあるお店(はちグラム吉祥寺店)が舞台となっていますので、このマンガをきっかけにシーシャに興味を持った方は是非、聖地巡礼も兼ねて行ってみてはいかがでしょうか?
講談社 泥ノ田犬彦 君と宇宙を歩くために 1巻
1巻発売後まもなく「マンガ大賞2024」にノミネートされ、先日大賞受賞が発表された期待の新星。
失礼ながら、表紙から受けるイメージで「ヤンキーとマジメな子のライトなBLっぽい漫画かな?」と初見では買わなかったのですが、賞の候補作に選ばれるなら何かありそうだ、と気を取り直してようやく読んでみました。
私のバカ、なんでもっと早く読んでおかなかったんだ!
危うくこんな名作を見逃してしまうところでした。
普通のことが「できない」共通点を持つ宇野と小林の二人が出会い紡ぐ、優しい物語。
現代であれば診断に病名がつくかもしれないものを抱えた宇野が、工夫して何とか普通を歩もうとしている姿に感化され、自分を見つめなおす小林。
自分をバカと認めるのが嫌で逃げ続けてきた小林が、それを自覚して立ち向かっていくところは共感の嵐。
後半に出てくる先輩もまた一癖ありそう、今後の展開に期待です。
集英社 高瀬わか 姉のともだち 1巻
家に入り浸る姉の友達ギャル(顔面国宝級)に恋するおかん系ピュアボーイ。
しかし実はギャルの方も…?
お互いの好意に気付かず、両片思いですれ違う二人が可愛くて目が離せません。
しかしこのギャル、無防備部屋着も外用のキメ服も、嫉妬する顔も何もかも可愛い。
ソレが読みたかった!と期待通りのモノが出てきて私はニッコリ。
これで付き合ってない…だと?系のラブコメ(なんだそれ)が読みたい方にオススメです。
小学館 森下みゆ 尾守つみきと奇日常 1巻
週刊少年サンデーの連載開始からずっと読んでいた期待の新作がついに単行本化。
人ならざるもの「幻人」が多く通う学校を舞台に、人間の少年と様々な幻人たちとの交流を描くスクール青春モノ。
やけに距離感が近かったり、逆に「え、そこ?」というところでの照れ、そして自分に自信がなく周りの目ばかり気にしてしまう人間の少年、友孝くんをグイグイ引っ張っていくイケメンさも持ち合わせるメインヒロインのウェアウルフ(人狼)少女、つみきさんがとにかくカッコよくてカワイイ。
ほかにも透明人間やヴァンパイア、鳥人など続々登場する幻人にワクワクです。
あまり暗い展開なくキュン&ハートフルなマンガなので、いつ読んでも癒されます。
ケモミミ、尻尾好きな方にも是非。
新潮社 タカノンノ 推し殺す 1巻
挫折した元天才マンガ家の男の子が、自分の熱狂的なファンの女の子に出会い、その女の子とタッグを組んで過去の自分を殺す…大学ボーイミーツガール。
好きだからこそ漫画で殺し合いたい、そんな感性を受け入れられる方ならハマれます。
ヒロインの縁(ゆかり)が強メンタルで突き進んでいく姿に、彼女に完膚なきまでにマンガで打ちのめされれば自分もまた描けるようになるだろうかと期待しながら創作に協力するようになる悠(ゆう)。
ちゃんとガリガリ苦戦しながら創作をしたり、現代的なSNS戦略などの描写も多く、表紙やタイトルから想像するより意外とアツいマンガです。
白泉社 鶴田謙二 空は世界のひとつ屋根 1巻
「Spirit of Wonder」の復刊やアニメBlu-ray発売などもあり、鶴田謙二先生がここ最近活発に動いていてファンとしては嬉しいです。
そんな先生の新刊「空は世界のひとつ屋根」!ページ数は少ないものの、8割がフルカラーで実質画集みたいなもの。
南国の島の国際空港を舞台に、ゆるやかで開放的、自由奔放な生活が描かれます。
フルカラーの良さを最大限に生かした空の色と肌の色のコントラストがたまらない。
また、長年のファンの方なら、過去作「Forget-me-not」との繋がりもあり思わずニヤリ。
後半2話のタイトルが「私を忘れないで」なので匂わせどころか直球なんですが。
楽園コミックスは紙の質感が良いので紙版がオススメです。
双葉社 武田登竜門 DOGA【ドガ】 1巻
今回紹介する中では唯一の正統派異世界ファンタジー作品。
「BADDUCKS」などで注目の新星、武田登竜門先生の新作長編。
今回は不慮の事故から身体を失い機械の身体になってしまった貴族の青年ヨーテと、砂漠の宿無し怪力娘ドガの二人が”奇跡の海”を目指して旅するロードムービー。
お金と教養はあるが身体の自由が利かないヨーテと、逆に身体だけが資本のドガのデコボココンビ。
スケールの大きい世界観や、貧困街の描写など、ファンタジー世界を描くのがとにかくお上手です。
1巻ではまだ旅立ちの話なので、これからどんなトラブルに巻き込まれていくのか今後が楽しみな作品ですね。
マガジンハウス 世良田波波 恋とか夢とかてんてんてん 1巻
各所で話題沸騰し書店でも激推し、今年は何らかの賞を獲得するのは間違いないでしょう。
キラキラした生活を夢見て上京したものの、特にやりたくもない仕事をして起伏のない生活を送るカイちゃん。
そんなカイちゃんが、新しい感情を知ったり暴走したり傷ついたりしながら、一直線に劇的な恋に落ちていくお話です。
私はかつて高円寺に住んでいたことがあるのもあって、知っている街並みに心躍ってしまいました。
中野、高円寺、そして大阪の風景を、ポイントを押さえて的確に描いているのが素晴らしいです。
好きな人からのいいね一つで世界がキラキラに輝いたり、人違いで世界が真っ暗になったりと、カイちゃんの心の動きで世界の見え方も変わってくる、一人称視点での世界描写がたまらなく好きでした。
「人に認められることが一番の目的になってしまったんだね」
私はこのセリフがグッサリと刺さりました。
皆様も何かしら刺さって共感できる描写がきっとあると思います。
まだ間に合う。乗り遅れないうちに是非。
リイド社 梓義朗 浮・遊・感・覚
トーチ発の新星、梓義朗の初単行本。
まさしくタイトルのまま、ふわふわとした、夢の中にいるかのような世界が揺らぐ感覚に襲われます。
このマンガを言葉で紹介するのはなかなか難しいのですが。
表紙やセリフ回しなど、90年代ヤンマガやガロなどを彷彿とさせる、どこか懐かしさを感じさせつつも新しい作品集でした。
特に華倫変の影響は大いに受けていそうな感じ。
若い頃は誰でもこんな風にちょっとヘンになるというか、そういう時期があったよなと考えつつ。
理屈より感覚でマンガを感じたい方にオススメです。
今回は3月に読んだ新作9タイトルをご紹介しました。
皆様が良いマンガライフを過ごせますように!
それでは、また。
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