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「このマンガがすごい!2024」を大予想!

マンガ紹介

積読を読んではくずし…バーチャル書店員のツミヤマです。

12月に入り、今年もマンガシーンの総決算、「このマンガがすごい!」の発表が迫ってまいりました。

というわけで、今回はこちらのランキング予想をしていきます。

予想の部分にすぐに飛びたいかたは以下の目次3からジャンプしてくださいネ。

「このマンガがすごい!」とは?

「このマンガがすごい!」は宝島社から毎年12月中旬に発表されるランキング本です。

書店員や芸人、声優、漫画研究者など、様々なマンガ好きが今読むべきマンガを投票で決めるという趣旨のもの。

こちらのランキング上位の作品は注目度が飛躍的に上がり、販売も大きく伸びる傾向にあることから、業界内でも注目度が高いです。

「このマンガがすごい!2024」は12月13日(水)発売予定となっています。

選考の基準にはいくつかルールがありますので軽く触れておきますと、

  • 2022年10月1日から2023年9月30日までに単行本が発売された漫画から選定
  • 掲載誌によりオトコ編、オンナ編が区切られるが、投票の偏りで振り分けが考慮されることもある
  • 各選者につきランキング上位5位を挙げ、得票を集計したものが最終ランキングに

一番重要なのは一番上の刊行期間で、今すごく勢いがあってもこの期間に単行本になっていない作品は残念ながらランキングには入りません。

また、出版社から単行本として発売されていない自費出版作品なども除外されてしまいます。

例えば今年だと、今井新先生の「フラッシュ・ポイント」がマンガ読みの中で非常に話題になりましたが、こちらは自費出版作品の為、残念ながら選考外となります。

過去ランキングのおさらい

「このマンガがすごい!」の歴史は古く、なんと2006年から続いています。

参考までに、直近3年のオトコ編、オンナ編トップ3の作品をご紹介しておきましょう。

2023年オトコ編(2022年12月発表)

  • 1位 「光が死んだ夏」 モクモクれん
  • 2位 「さよなら絵梨」 藤本タツキ
  • 3位 「タコピーの原罪」 タイザン5

2022年オトコ編(2021年12月発表)

  • 1位 「ルックバック」 藤本タツキ
  • 2位 「チ。-地球の運動について-」 魚豊
  • 3位 「怪獣8号」 松本直也

2021年オトコ編(2020年12月発表)

  • 1位 「チェンソーマン」 藤本タツキ
  • 2位 「葬送のフリーレン」 山田鐘人/アベツカサ
  • 3位 「九龍ジェネリックロマンス」 眉月じゅん

以上が近年3年分のオトコ編トップ3です。

いやー、藤本タツキ無双、そして圧倒的集英社率の高さ。

大穴が入り込む余地があまりないような雰囲気はありますが、昨年の「光が死んだ夏」はかなり異端、穴だった気がしますね。

続いてオンナ編トップ3はこちら。

2023年オンナ編(2022年12月発表)

  • 1位 「天幕のジャードゥーガル」 トマトスープ
  • 2位 「ジーンブライド」 高野ひと深
  • 3位 「まじめな会社員」 冬野梅子

2022年オンナ編(2021年12月発表)

  • 1位 「海が走るエンドロール」 たらちねジョン
  • 2位 「作りたい女と食べたい女」 ゆざきさかおみ
  • 3位 「大奥」 よしながふみ

2021年オンナ編(2020年12月発表)

  • 1位 「女の園の星」 和山やま
  • 2位 「後ハッピーマニア」 安野モヨコ
  • 3位 「薔薇はシュラバで生まれる-70年代少女漫画アシスタント奮闘記-」 笹生那美

こちらが近年3年分のオンナ編ランキングです。

オトコ編に比べて新人とベテランが入り交じり、レーベルも偏りが少なく意外性がありますね。

個人的には特にオンナ編は参考にして、ランキング上位のものは読むようにしています。

「このマンガがすごい!2024」オトコ編予想

ここからは予想パートです(2023年12月8日現在のもの)。

まずはオトコ編。ツミヤマの考えるトップ5に入るであろう作品はこちら!

◎本命 「サンダー3」 池田祐輝/講談社

〇対抗 「バンオウ-盤王-」 綿引智也、春夏冬画楽/集英社

▲単穴 黄泉のツガイ 荒川/スクウェアエニックス

△抑え 「ダイヤモンドの功罪」 平井大橋/集英社

☆大穴 「自伝板垣恵介自衛隊秘録」 板垣恵介/秋田書店

こちらになります。

以下、一つずつ簡単にコメントしていきますね。

◎本命

「サンダー3」 池田祐輝/講談社

発売当初からかなり話題となっておりましたが、1巻の刊行が2022年10月と、前回のランキング集計期間からはわずかに外れた刊行だった為昨年は選外に。

今年は確実に走ってくるだろうと信じて本命としました。

このユルい表紙からは想像できない世界観と画風にド肝を抜かれること請け合い。

いま最も続きが気になる作品であることももちろんですが、この作者のことが知りたい、インタビューを載せて欲しいという要望も多そうなところも裏読みしつつ。

〇対抗

「バンオウ-盤王-」 綿引智也、春夏冬画楽/集英社

以前に当ブログでもご紹介いたしましたジャンププラスの雄、「バンオウ-盤王-」を対抗に。

細かい解説は以前の記事(2つのアプローチから見る「竜王戦」漫画)をご参照ください。

今年中旬に発表された「次にくるマンガ大賞2023」のU-NEXT賞にも入っていた今作。

これも裏読みではありますが、毎年上位に必ずジャンププラスから1、2作品入ってくることがここ数年の傾向でわかっているので、今年入るならコレじゃないかと思っています。

▲単穴

「黄泉のツガイ」 荒川弘/スクウェア・エニックス

みんな大好き荒川弘先生、画力も図抜けていますが、マンガ力が本当に高いなと感じますね。

キャラクターの個性を出すのも上手いし、バトルシーンも分かりやすく迫力があります。

異能力バトルだけでなく、人間同士の騙し合い、腹の探り合いといった頭脳戦も楽しめる良作です。

ああ、これぞド直球の少年漫画。

こちらも「次にくるマンガ大賞2023」で2位を獲得していましたね。

1位を取っても全然意外ではないのでここは単穴で拾いたいと思いました。

△抑え 

「ダイヤモンドの功罪」 平井大橋/集英社

現在話題沸騰中の「ダイヤモンドの功罪」は抑えておきたいところです。

天才スポーツ少年の魔性の力に、勝手に狂っていく周囲の人々。

これほど爽やかさのないドロドロした感情の野球漫画があっただろうか?

これは今年入らなくてもいつかのタイミングでは来る作品だと思うので、未読の方は是非。

☆大穴

「自伝板垣恵介自衛隊秘録」 板垣恵介/秋田書店

人にはオススメできない(特に女性にはオススメしがたい)マンガではありますが、今年確実に一番笑ったのはこのマンガです。

初掲載から実に20年以上の時を経て、続編の掲載から奇跡の単行本化。

なので、冒頭に登場する板垣先生の若いこと若いこと。

この歴史を踏まえた単行本化までの軌跡、そしてド下ネタすぎる赤裸々な内容、これはまさにオトコの中のオトコの作品、展開次第では1位を取ってもおかしくないと考えています。

以上、オトコ編の予想でした。

「このマンガがすごい!2024」オンナ編予想

続きましてはオンナ編の予想です。こちらはあまり自信がないですが、なんとかひねり出して。

◎本命 「ふきよせレジデンス」 谷口菜津子/KADOKAWA

〇対抗 「いやはや熱海くん」 田沼朝/KADOKAWA

▲単穴 「おちたらおわり」 すえのぶけいこ/講談社

△抑え 「艮(うしとら)」 山岸涼子/講談社

☆大穴 天幕のジャードゥーガル トマトスープ/秋田書店

こちらも軽くコメントを。

◎本命

「ふきよせレジデンス」 谷口菜津子/KADOKAWA

こちらも以前当ブログにてご紹介いたしましたので、詳細は(「ひとり」の生き方を考えさせられる作品)にて。

昨年、手塚治虫文化賞新生賞を受賞した谷口菜津子先生。

そろそろこういったランキングものを獲ってもおかしくないかなという裏読みで本命としました。

〇対抗

「いやはや熱海くん」 田沼朝/KADOKAWA

顔のいい熱海くんの、人間関係にまつわるお話。

若干BLテイストはありますが、人間同士の関係性を中心とした日常モノなので、男性でも面白く読める作品です。

関西弁の軽快な会話もうまく機能しており、読後感は軽く爽やか。

個人的好き度の差で対抗にしましたが、1位になっても全然おかしくないかなと思います。

▲単穴

「おちたらおわり」 すえのぶけいこ/講談社

「このマンガがすごい!」のオンナ編は、なんとなくベテランが走るイメージがあり、ベテラン枠からこちらを。

タワマンのママ友同士のドロドロしたカースト争いを描いた作品。

あのいじめマンガの金字塔「ライフ」のすえのぶけいこ先生が描く、新たないじめマンガとしてWEB中心に注目されていた作品。

今年10巻が発売され完結となったので、入るとしたら今年しか…というところで。

△抑え

「艮(うしとら)」 山岸涼子/講談社

こちらも同じくベテラン作家から、山岸涼子先生の「艮(うしとら)」を。

10年近くの時を経て、単行本化されていなかった短編が一冊に。

山岸先生の死生観、「この人、一回死んで見てきたんじゃないか?」というようなリアリティ。

そしてカラーページの美麗さたるや。

1位とはいかないまでも、今年抑えておきたい作品なのは確かです。

☆大穴 

「天幕のジャードゥーガル」 トマトスープ/秋田書店

個人的意見ですが、今年そこまでグッときた作品がなかっただけに、2年連続ランクインのパターンは十分考えられる展開です。

3巻も非常に良かったし、まだまだ続きが気になるところ。

読めば読むほどモンゴルの歴史が知りたくなる、知の欲求を刺激されるような素敵なマンガ。

男女問わず未読の方はまだ間に合うのでどうぞ。

以上、オンナ編の予想でした。

おわりに

ツミヤマが考える「このマンガがすごい!2024」の予想記事でした。

いかがだったでしょうか?

いやいや、これが入ってないじゃないか、などのご意見はぜひ、X(@tsumiyama)の方にでも投げつけて頂けると幸いです。

今年のランキング発表後、改めておさらい記事をまたアップしますので、そちらもよろしくお願いします。

それでは、また。

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